兵庫県小野市「播州そろばん」の技術承継
2019/04/04
北播磨がらみのコラムです!
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北播磨の一市、兵庫県小野市のそろばん職人さんがテレビで特集されていました。
兵庫県の地場産業にも指定されている「播州そろばん」は小野市の特産業のひとつ。小野市のそろばんシェアは全国7割を占めます。
そんな小野市には、最盛期にはそろばん職人が1000人ほどいらしたそう。
それがそろばん人気の低迷などで生産量が低下し、現在、職人さんの数は数十人にまで減っているそうです。
取材を受けられていた職人の宮本さんは75歳。それでもベテラン職人のなかでは最年少で、「みんな私より年齢上ですねん」と。
そういう状況のなかで、元プログラマーの高山さんが5年前に宮本さんに弟子入りし、播州そろばんの技術を学んでいるという特集でした。
現在44歳の高山さんは5年の修業で一人でそろばんをひととおりつくれるようになったそう。
宮本さんは言います。
「昔の職人の世界は背中で覚えろいうてね。大事な技術は誰も教えてくれへんかった。でもそれでは時間がかかるねん。私はぜんぶ教えるから」
それもすべては播州そろばんを後世に残したいからこそ。
「彼は5年かかって一人でつくれるようにはなっとるな。せやけど、まだ、負けへんなあ。いずれ抜かれるやろけどねぇ」
そうやって表情を緩めていた宮本さんの温かい目線に打たれました。
こういう職人さんの生き様や考え方、技術承継のリアルをこの「仕事百科事典 加東市版」でも残していきたい。
加東市にも釣り針や鯉のぼり、ひな人形などの地場産業、伝統工芸があります。いつか職人さんたちに取材させていただきたいと思ってます。